暖かい太陽窓から差し込める日差しさようなら地球僕は地球を去るロケットに乗って今から僕の人生の大部分は地球で過ごしたものだったから僕はとっても寂しくて悲しくて地球を離れないことだけが僕にとって一番大切なことのように感ずるだがしかし地球を離れた今も別に何か失ったという気はしなかった。太陽光線に乗ってツプシ・鳥が飛んできた。ぴ・ぴ・ぴ・ぴ羽を動かすのが窓越しに見えるんだ。ウチュウセンの窓からは青いあの地球もよく見えるんだけど下の方にあるから身を乗り出して頭を下げなきゃならない。僕のいた星の大地は僕がいたときとぜんぜん変わらないで同じ色。心に空いた隙間みたいに地面に空いた割れ目が見える。きっと失ったのは僕だけで地球は何も失ってない。もうすこし地球を眺めていたかったけどツプシ・鳥が鳴きやんだので僕は行くことにした。気が遠くなるほど長いウチュウセンの廊下を歩いて操縦席に座る。機械の動かし方はわからないけど大丈夫。なんとかなるんだ。ロケットはぐんぐんスピードを上げて星がたくさん見える。きらきらきらきらぼくのまわりに宇宙に広がってあのどこかの地球で僕も透明人間になっているんだ、ありがとう。