僕は夜にしぬことになっているのでそれまでにやらなければならないことを考えています。

僕がしなければならないことやしたいことはそんなに多くありません。だって僕が死ぬまでにはほんの少しの時間しかないのですから、ほとんど多くのことは意味を持たないのです。トイレだって一日我慢すればしなくていいのです。食事だって一日我慢すれば別に食べる必要がないのです。一日ぐらいお風呂に入らなくたって平気だし、一日ぐらい眠らなくたって平気なのです。だから僕がしなければならないことなんて本当に少なくて僕はそれを一生懸命考えています。だけどなかなか見つかりません。

何もしないわけにはいかないのです。僕は今日が終わるまでの間に自分にできることをやらなければならないのです。だけど僕は、のんびり考えました。一日は短いけれど、一時間はとてもとても長いのです。一日しか生きられない僕たちにとって世界はとても大きく、僕のしらない場所が山ほどあります。そのことを考えると僕は孤独と一緒にそんなに大きな世界で生きていることの誇りを感じました。

僕らは生まれるとすぐ成長して一日で死にます。朝に目を覚まして夜に眠るまでが僕たちの一生です。だのに僕たちの世界はとても小さく、僕たちにとっての一日とても短いのです。

僕らには死の意味を考える時間も生きる目的を考える時間もありません。ただできることを一生懸命考えてそれを死ぬまでにするだけです。