サリーは熊です。

熊なので人語は話せません。

でも金星人語は話せます。

ある日のことです。(ある日というのはサリーのおじいさんが死んだ次の日でした)

サリーが獲物(サリーはパンダやウサギ、人間などをよく食べました)を探して森を彷徨っていると

人間の女の子が歩いているのを見つけました。サリーが物陰から様子をうかがうと、女の子が小さな足で

あっちへいったりこっちへいったり、どうやら迷子らしいです。サリーは思いました。

「自分ならすぐに道を案内することができる。でも、熊が出て来たら彼女は怖がってしまうだろう。」

そこでサリーはすばらしい作戦を思いつきました。その作戦を誰かに自慢したくて、友達のエリーへ会いに行きました。

サリーがエリーのところですばらしい作戦を説明している間に人間の女の子は崖から落ちて死にました。

カラスが女の子の身体を食べて通りかかったエリーがその骨をネックレスにしました。

女の子が落ちた場所からは小さな白い花が咲きましたが通りかかったエリーが踏み撫して冬には枯れました。

森の動物達は冬になるとみんな冬眠します。だけどサリーは雪が降り積もった森の中でも獲物を探して彷徨っていました。

あなぐらに入らない熊はサリーのほかにもいました。ジュリーです。

サリーが白銀の城の中でじっと獲物を待っていると、ウサギはウサギ畑から採れると思っているジュリーが走ってきました。

口にはウサギをくわえています。

「やあサリー。もう冬だから、君もそろそろ眠ったら」

ジュリーが人間の言葉で言いました。サリーには何をいっているのかわかりませんでしたが、

ジュリーが落としたウサギを拾い直すのを見てから「あと一時間たったらそうするよ」と、金星人語でいいました。

「僕も眠ることにする」ジュリーはそういって、また落ちたウサギをくわえてからあなぐらへ走っていきました。

サリーは一時間待ちました。一時間経っても獲物はこなかったので、サリーは寒さと空腹で死んでしまいました。

「それで何がいいたいんだい」トムがいいました。トムは手提げ鞄の中にたくさんのりんごを持っていました。

またポケットの中にたくさんのお金を持っていました。でもそれをサリーにあげる余裕なんてまったくなかったのでした。

トムは立ち上がり、サリーは新しい例えを模索しました。

「ちょっとまってくれよトム、それじゃあ少なくとも君にいれた紅茶はまったくの無駄だったというわけか」