ジャック「お花はいりませんかー・・ああ、今日も売れなかった。

どうして都会人ってこう他人に対して無関心なんだろう。人は一人で生きているのではないのに・・

いや、僕は花を売ることができない。それは誰のためにもならないといことだ。

つまりは誰も関心してくれないから一人で生きていることになり、それは他人に対する無関心に繋がる。悪循環・・か。

これをどのように克服するかが今後民主化を進めるにおいて隠された問題になるんだろうな。

まあ僕には関係が無いけれど。」

(猫がふらつきながらやってきて、ジャックの前で倒れる。)

ジャック「ああ!だ・・大丈夫?猫さん。」

猫 「ニャーお腹がすいて力が出ないニャー・・」

ジャック「喋った!??いや、落ち着けジャック。猫が人語を解すはずが無い。なぜなら猫に人語を教育する機関が存在しない

と同時に猫には50音発音を可能とする高度な声帯が存在しない。これは生物学的にありえないことだ。

きっと気のせいだろう。」

猫 「現実を受け止めろよジャック。」

ジャック「幻聴だ幻聴。だいたい僕の名前を知っているはずがないのだから、

僕の名前を口にしたということはこれは僕の脳が欲求や過労によって作り出した幻聴であることに他ならない!!」

猫 「さっき自分で落ち着けジャックっていってたニャー」

ジャック「聞こえない聞こえない!!認めるな!認めたら負けだ!!

そう、そもそも語尾にニャーと付けるあたり人間が勝手に作り上げた妄想であり、

すなわち僕の記憶や経験から生み出された言葉であるということだ!」

猫 「下らないプライドや先入観に縛られていたら、いつまでも話が進展しないニャー」

ジャック「話って何だ!?僕は進展なんて望んでいない!!

平和に暮らしていればそれでいいんだ!

プライドや先入観?それらを打ち破った人間は歴史上「偉人」と呼ばれることもあるが、大半は異人、狂った人として扱われるんだ!

なぜならそれらを決めるのがプライドや先入観に縛られる大衆であり、

大衆を説得することができなければそれは単なる異端であるからだ!!」

(黒子が現れて、ジャックの耳元でささやく)

ジャック 「え?なんですかあなた・・はい?時間が無いから・・?いや、言っている意味が理解・・・

何を言ってるのかよくわかりませんが僕を説得する間に猫という設定を見直したほうが早いのではないですか?

え?衣装がない?いや普通の人でいいですよ。」

猫 「お腹が減って力がでないニャー。」

ジャック 「そこ、切りなおすな!」

猫 「だれかパンを分けてくれないかなー・・」

ジャック 「大体腹がすいて力が出ないって・・・アンパンマンか!?」

(黒子、猫、動きを止めてしばらく沈黙)

黒子A 「いや何もアンパンマンに限ったことでは」

黒子B 「そもそもアンパンマンは顔が湿って力がでな」

ジャック 「・・・・・・・ごめん・・・・いまのなし。」

猫 「ええとなんだかよくわからないけどいいにおいがするニャー。」

ジャック 「もしかしてこれのこと?」

猫 「きっとそうニャー。そのパンを半分分け・・」

(ジャック、懐から牛を取り出す)

猫 「てう゛わ゜ーーーーー!!!!!!」

ジャック 「半分・・・?すると縦にこう・・切るのか。なんだかグロテクスだなぁ・・」

猫 「な・・なんで牛が!?」

ジャック 「お腹がすいて死にそうになったときのために常日頃から牛を懐にしまっておくようにしているんだ。」

猫 「常日頃から牛を・・?いや、てゆうかどんな懐だ」

ジャック 「まあ、僕は懐が大きいからね。いろんな面で。だから君の口調がいつのまに変わっている事に対しても動じないのさ。」

猫 「生肉はちょっと・・ニャー」

ジャック 「そうか。残念だな。じゃあ牛はしまって・・」

(牛をしまっていると、猫が懐を覗こうとする)

猫 「・・・なんだかまだいいにおいがするニャーきっとパンのにおいニャー」

ジャック 「ええと・・これかな。」

(ジャック、懐からビタミン剤を取り出す)

ジャック 「マルチビタミンって書いてあるけど」

猫 「そんな夢も希望もない固形型栄養物で恩や礼が買えるとでも思っているのか貴様は」

ジャック 「別に僕は恩や礼のために行動しているわけじゃあないよ。そうだな・・ほんの少しの愛があればいい・・」

猫 「愛も友情も固形燃料じゃ買えないにゃニャー!」

ジャック 「まったく君はわがままだなぁ。

ビタミンA,C.Eやペータカロテン、ドリフターズ、食物繊維、バッククワップなどの主要ビタミンが一粒10mgにぎっしり詰まってるのに・・」

猫 「なんだかあまり聞きなれない栄養素がいくつか含まれていたようだけど気のせいニャー?」

ジャック 「うん、ペータカロテンのことだね。

ビタミンAとか食物繊維って言う言葉はテレビとかでもよく聞くけど、ペータカロテンはあんまり聞かないよね。

でも実はこれ、体にとっても重要な栄養素の一つなんだ。今日はお兄さんと一緒にペータカロテンについて調べてみよう!」

猫 「子供向けの教育番組はよそでやってもらえるかニャー?

あと大分昔のコントグループやプロレス技などの一般的にあまり馴染みの無い言葉を使うと周りがしらけるからやめてほしいニャー」

ジャック 「プロレス技・・・?バッククワップはお風呂に入っているときにおならを出したら自然の法則に従い放出された空気の分水が尻の中に逆流してくる現象のことだけど」

猫 「栄養素と全く関係ないしおそらく君しか知らない名前ニャー!!」

ジャック 「それでしまった!と思って必死に臀部に力を入れて尻の穴を絞めるんだけど時はすでに遅く」

猫 「詳しく聞き無くないニャー!!」

ジャック 「それってあれに似てるよね。出す前に出せば大丈夫だとタカを括っていたけど」

猫 「ニャーーーーー!!!ニャーーーーー!!」

ジャック 「どうしたの?目の中にキリギリスでも入った?」

猫 「参考までに聞くけど出すとか出さないとか何の話ニャー?」

ジャック 「え?言っていいの?」

猫 「やっぱり何でもないニャー」

ジャック 「・・まあいいや。」

猫 「まだいいにおいがするニャー半分分けるニャー」

ジャック 「え?ぼくもう何も持って・・・・」

猫 「でもそこから素敵な香りがするニャー」

ジャック 「ハッ!もしかして口説かれてる!??」

猫 「違う」

ジャック 「悪いけど猫さん、僕の心はできたらホモサピエンスにささげたいんだ。・・・でも君の気持ちが」

猫 「違う」

黒子 「あの時間が・・」

ジャック 「わかったよ全く・・ほらよ」

猫 「ありがとうニャー・・」

ジャック 「じゃあ僕はもう行くね。知らない人にだまされて売られたりしないようにね。」

猫 「ちょっと待ってニャ・・あ・・あれ?か・・体が動かない・・」

ジャック 「そうそう、あと、知らない人からパンをもらったりしないように気をつけなよ。

もしかしたらその人が猫の密売人で、パンに麻酔薬が入っているかもしれないからね・・くくく・・」

猫 「お・・のれぇ・・」

薄れ行く意識の中、ジャックの笑い声だけが頭に響いていた・・・

猫 「お礼にいいことを教えてあげるにゃー」

ジャック 「結構です」

猫 「・・ここから南に10km、東に10km行くとあるあの森を知っているかニャー?」

ジャック 「それって南東√10+√10kmって言えばいいじゃん」

猫 「貧しい13歳の少年は一般的にそんな式知らないニャー」

ジャック 「南西ってことは・・・・・・・・大過の森・・足を踏み入れると二度と戻ってこれないっていうあれのことでしょ?」

猫 「そうニャー。それでニャー。この前こんな話を聞いたニャー」

ジャック 「話・・?」

猫 「大過の森の奥深くに魔女が住んでいて、魔女はどんな願い事でもかなえることができるそうニャー」

ジャック 「願い事・・ありがとう。なんかうそっぽいけど、僕、行ってみるよ。」

猫 「がんばるにゃー」

マイケル「どういうことですか!!」

医師 「どういうこともこういうこともない。今のこの国の医学では彼女の声を取り戻すことは不可能だ。」

マイケル「不可能って・・あんたそれでも医者か!!」

医師 「・・・ああ。それが医者というものだ。医者は神じゃない。」

マイケル「・・・・・どうすれば・・いいんです・・」

医師 「ボンジャーという国に、同じケースの症状を持った人を直したという人物がいる。

しかし、ボンジャーは大海の向うだ。有名な医師だからこの国に呼び寄せることは難しいが、

彼女を連れて海を渡るとなると肺のほうも心配だ。航海費も馬鹿にならん。

・・たとえ直ったとしても、以前のように歌うことは出来ないだろう。残念だが・・・」

マイケル「・・そう・・ですか・・・・・・」

古びた病室。ベッドににんじんが寝ている。

マイケル 「ん?なんでもないよ、ステファー」

ステファーは横になったまま、マイケルに笑いかける。

マイケル 「大丈夫だよ。椎茸先生が、脳の障害で一時的に声が出せないだけだから、そのうち直るって。」

声を失った少女は、笑ったままだった。

その目に涙が浮かんでいたことに、マイケルは気づかなかった。

大臣 「王様。お呼びでしょうか。」

王様 「そんな当たり前のことを聞くな。呼んだからお前は今ここにいるのだろう。」

大臣 「では、何用で?」

王様 「大臣よ、息子をどうおもう?」

大臣 「ご子息はこの国で最も優れた学者よりも多くの知識を知り、剣ではこの王宮の最も優れた騎士を負かしました。

類まれな才能をお持ちです。ご子息は・・いえ、なんでもございません」

王様 「なんだ、言ってみよ。」

大臣 「些細なことでございます。」

王様 「かまうことは無い。・・言わねば首をはねるぞ。」

大臣 「・・・・ご子息はバイオリンで、王宮で誰も弾けなかった曲を5歳のときに演奏なされました。

7歳の時、学者が何十年もかけて導き出した公式を5分で・・

そのう・・大変申し上げにくいのですが・・・ご子息は・・人間という生物を越えております。あれは・・」

王様 「なんだ」

大臣 「悪魔です。人間の殻を被った化け物です。」

王様 「それはなぜだ?人間を越えているからといって悪魔とは限らない」

大臣 「それが・・これをご覧ください。」

(何かを包んだ風呂敷を取り出す。)

王様 「その風呂敷が何か?」

大臣 「この中には例の、水晶が入っております。」

王様 「触れた者によって色が変わるというあれか。しかし、息子が触れたとき、王家の証である青に変化したのでは?」

大臣 「ご子息が触れられてから、誰にも触らせずにこのように風呂敷に包んでおりました。」

(大臣風呂敷をとく。中には黒い球体が入っている。)

王様 「な・・どういうことだこれは!!」

大臣 「実はこのような結果で・・王様には偽りを・・」

王様 「大臣・・主君に偽りを伝えるとは・・いや・・この結果なら・・」

大臣 「300年の記録の中でこのような色が出たのは一度きり・・それに触れたのは水晶を奪いに城に侵入した・・悪魔です。

王様の病を気遣い、今まで黙っておりました。」

王様 「そうか・・お前を呼んだのは他でもない、息子のことだ。私も黙っていた秘密がある。」

(大臣を手招きする)

大臣 「は?」

王様 「もっと近寄れ」

大臣 「はあ・・」

(大臣近づき、大様が耳元でささやく)

王様 「ゴニュゴニュゴニュ・・」

大臣 「お・・王様の子ではない!??」

王様 「ばか者、声が大きい!」

大臣 「で・・ではご子息・・いや王子は、悪魔の子であると!?」

王様 「確証はない。だがここ3年間あれの食事にヒ素を盛り続けているのだが・・」

大臣 「王子の食事にヒ素を!??」

王様 「声がでかいといっているだろう!あれの様子をみろ。致死量の10倍は入れているのに、くたばるどころか元気そうではないか。」

大臣 「致死量の10倍・・!?いやそれよりも・・」

王様 「悪魔に・・私の跡を継がせるわけにはいかない。・・・・・・・・殺すしか・・・・ない。」

大臣 「王様・・」

王様 「しかし、煮ても焼いても死なんのだ。こうなったらせめて二度と城に戻ってこれないようにするしかない。」

大臣 「二度と・・ですがいかようにして」

王様 「東に10km、南に10km行った場所にある大過の森を知っているか?」

大臣 「足を踏み入れたものは二度と帰ってこれないという、あれですか!?・・・あ!!」

大様 「そうだ。あとは・・・わかっているな?」

大臣 「・・かしこまりました。」

王子 「あー、暇だ暇だー!!おい、大臣!」

大臣 「王子、そのようなことは全くございません。午前は数学、物理、および王国の歴史、午後は剣術の稽古と経済学がスケジュールされ・・」

王子 「数学と物理はもう教えることは何もないと言われたし、この国の歴史なんて口を塞いだって言えるぞ!

剣術のケン・ジュツ先生は風邪で休みだろう?暇で無くてなんだというのだ!」

大臣 「王子。それならば読書をなされたらいかがでしょう。」

王子 「一日中本ばかり読んでいては体が腐る!

それに王宮の書物はすべて目を通してしまった。ああ、何かやることはないのか。

父上は私に何でも与えてくださったが、それは所詮人間の範疇。望む、手に入れるという楽しみを奪われただけだ。」

大臣 「では王子は何をお望みで?」

王子 「人に在らざる力よ。」

大臣 (・・・・やはり王子は、国王にするわけにはいかない・・・やむおえないが・・)

王子 「大臣。何を考えている?」

大臣 「王子。大過の森をご存知ですか?」

王子 「名前だけならな。足を踏み入れると二度と戻ってこれないという、あれだろう?」

大臣 (知ってんのかよちきしょーーー!!)

王子 「・・どうした大臣」

大臣 「じ・・実は大過の森には秘密があります。」

王子 「秘密?」

大臣 「はい。森の奥深く行ったところに、魔女が住んでいてその魔女はどんな願いでもかなえることができるとかできないとか。」

王子 「できないのか?」

大臣 「で、できます。」

王子 「しかしそのようなこと、王宮の書物には書かれていなかったぞ。

二度と帰れぬような場所であるから、そのような伝説が作られたのではないか?」

大臣 「い・・いえ、これは王家にのみ伝わる秘密にございまして・・初代国王が王となったのも、その願い事のおかげだとかそうじゃないとか・・」

王子 「そうじゃないのか?」

大臣 「おかげです。間違いありません。」

--

王子 「願い・・・・・・・・大臣よ、明日隣国の王と茶会と称した会議があったが、私は欠席する。」

大臣 (よっしゃー!いったー!!これで私の首もつながった・・)

大臣 「かしこまりました。」

王子 「ああ、あと大臣、お前大過の森へ行ったことは?」

大臣 「何度か森の入り口まで行ったことはありますが・・」

王子 「そうか。私は場所を知らない。案内ついでに護衛も頼む。」

大臣 「ナニィ!??」

王子 「だ・・大臣?」

大臣 「し・・失礼・・護衛など、私など王子の剣の足元にも及びませぬ。」

王子 「・・森は広いのだろう?何時間も一人で歩いていては退屈だ。話し相手になってくれ。」

大臣 「あ・・明日はちょっと用事が・・」

王子 「10歳年下の愛人にデートの約束を断られたからやることがないと言ってたではないか。」

大臣 「いえ・・その・・・」

王子 「決まりだな?では私は支度でもするか。そうだ、父上にも伝えておいてくれ。」

大臣 「王様にはすでに・・それより最近腰が痛くてですね・・長時間馬に乗ると・・」

王子 「すでに伝えた?早いな。そんな間があったか?」

大臣 「え・・ええ。さっき王子が後ろを向いた隙に・・」

王子 「後ろを向いた隙に!??おまえどんな筋肉を・・いや、なんで隙をとる必要があるんだ?なにかやましいことでも」

大臣 「私、昔から足だけは速いんですよ。それはもうツバメのように・・ところで腰が・・」

王子 「そんな話は初耳だが・・じゃあ明日はたのむ」

大臣 「いえ、ですから腰が悪くて・・馬に乗っているとそのうち腰から黄緑色の液体が湧き出てきましてそれがまた極端にべとべとと粘着しましてべとべとといってもスライムのようなそれと納豆のようなしなやかさを同時に併せ持っておりまして絹織物には最適なのですが一度付着するとはがすのが大変で・・え?私ですか?私はそんなに粘着質な体型でも性格でもありませんよ。はがすのも簡単です。それはもう美しくペロッと・・」

王子 「大臣・・・・大臣・・・・・・大臣!」

大臣 「は・・はい?」

王子 「もう下がっていいぞ。」

大臣 「か・・かしこまりました・・」

王子 「どうやら父上は私を城から追い出したいらしい。

なるほど、悪魔の子は王にはできないか。

城の生活にも飽きた。父上に恨みは無いし、どこか遠方の街で静かに暮らすか。」

マイケル 「なんだよお前。お前にやる食べ物なんてないよ。あっちいけ!」

猫 「ニャー・・」

マイケル 「あっち行けって!」

猫 「ニャー・・」

マイケル 「・・・・・・・しかたないな・・これだけだぞ。」

猫 「ニャー」

マイケル 「ほら、食ったらどっかいっちまえ」

猫 「どうもありがとうニャー」

マイケル 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

猫 「なに現実逃避してるニャー?」

マイケル 「アーーーーーーー!!!!!!!!!猫がッ!!!!!猫がアアアッ!!!!!」

猫 「パンをくれたお礼にいいことを教えてあげるニャー」

マイケル 「い・・いいこと?それは一体どんな・・ハァハァ」

猫 「ち・・近づくニャー!!ここから南に10km、東に・・・」

ジェス 「ん?どうした」

猫 「ニャー」

ジェス 「そうだ、悪いけど明日は出かけるんだ。・・・いつ帰ってこれるかはわからない。」

猫 「ニャー?」

ジェス 「大過の森・・ここから南に10km、東に10kmぐらい行ったところにあるんだけど、

そこに住んでいる魔女は、願い事をかなえることができるらしいんだ。」

猫 「ニャー・・」

ジェス 「入ったら二度と出られない・・・か。

大丈夫だよ。俺は帰ってくるから。」

--

猫 「大過の森・・いいこと聞いたニャー」

大過の森―

ジャック 「ここが大過の森かな・・GPSもない時代に南東に√10+√10km正確に進むことなんて出来ないよ。

誰かに聞いてみようかな・・誰かいませんかー・・」

うさぎ 「いないよ。」

ジャック 「いるじゃん」

うさぎ 「ここには誰もいない。

ここは大過の森。

呼んで答えるのは物の怪

返るのは空腹に飢えた獣の賛歌

ここは魔法の森

木は笑い

風は地面を歩く

犬は二本足で立ち

蛙は古文を話す

ここは大過の森

罪を犯した魔物の森

ここには誰もいない

踏み入るものは数多

だけど還る者はそれにしかり

ここは対価の森

踏み入るならば用意を

命をすぐに取り出す為の用意を

進入の代償は

貴方の魂で

―1度足を踏み入れたら二度と戻ってはこれない。」

ジャック 「うさぎさん、大過の森を探してるんだけど」

うさぎ 「それならばすぐそこだよ。

そこに見えるのがそうさ。」

ジャック 「どうもありがとう。」

(ジャック、森へ向かう。)

うさぎ 「だけど気をつけなさい。

貴方を見ているのは獣だけでないことを。

そこは対価の森。

進入には命の対価。

貴方が人ならば、帰りの分の魂の用意を。」

マイケル 「ここが大過の森か・・・?すいませーん・・」

うさぎ 「誰もいないよ」

マイケル 「うわあ!な・・う・・うさぎ!?」

うさぎ 「ここには誰もいない

ここは大過の森

呼んで答えるのは悪魔の声

聞こえるのは人の子の悲鳴

ここは魔法の森

岩は歌を歌い

闇は意思を持つ

ねずみは鉄をかじり

魚は空を泳ぐ

ここは大過の森

罪を犯した魔物の森

ここには誰もいない

入るものは多数

出るものはいない

ここは対価の森

踏み入るならば準備を

きっと戻ることはないから

進入の代償は

貴方の魂で

―1度足を踏み入れれば、二度と戻ってはこれない。

マイケル 「すいません。大過の森はどこですか?」

うさぎ 「あそこだよ。

そこにみえるのがそうだ。」

マイケル 「ありがとう。」

(マイケル、森へ向かう)

うさぎ 「だけど気をつけなさい。

光は貴方の味方にならないのだから。

そこは対価の森

進入には命の対価。

貴方が人ならば、帰りの分の魂の用意を。」

ジェス 「ここが大過の森か?」

大臣 「どうでしょうか・・以前来たのは3年も前ですから・・」

ジェス 「おーい、誰かいないか?」

うさぎ 「誰もいないよ」

ジェス 「誰もいない?」

うさぎ 「ここには誰もいない

ここは大過の森

呼んで答えるのは風の音

水面に映るのは貴方だけ

ここは魔法の森

時は逆行し

大地は反転する

鳥は翼を失い

キリギリスは地に生える。

ここは大過の森

罪を犯した魔物の森

ここには誰もいない

生ける者はみな朽ちる

残ったのは骨と魂

ここは対価の森

踏み入るならば覚悟を

得られるものは喪失

進入の代償は

貴方の魂で

―1度足を踏み入れれば、二度と戻ってはこれない。

ジェス 「おいうさぎ。ここは大過の森か?」

うさぎ 「そうだよ。

すぐそこさ。」

(ジェス、大臣、森へ向かう)

うさぎ 「だけど気をつけなさい。

敵は己が内にある。

進入には命の対価。

悪魔の子よ、森は貴方を呼んでいる。」

ジャック 「なんだか気味の悪い森だな・・魔女はどこにいるんだろう。」

魔女 「私に何か用かい?」

ジャック 「うわあ!!ま・・魔女?」

魔女 「人の顔を見て驚くなんていい趣味してるね。」

ジャック 「その顔をみれば誰でも・・まあいいや。魔女さん、僕魔女さんに願い事を叶えてもらいに来たんだ」

魔女 「願い事・・なるほど、しかし私も暇では無いんだよ。森に入る輩は多いが、私はこう言う事にしている。

この森の中には3つの虹色に光る宝玉が存在する。3つのうちどれか一つでも持って私のところにやってきたのならお前の話を聞いてやろう。」

ジャック 「虹色に光る宝玉・・森のどこかにあるんだね。わかった。ありがとう、魔女さん」

(ジャック、森の奥へ消える)

魔女 「ありがとう・・か。おかしなことをいう人間だ。」

マイケル 「魔女とやらは一体どこにいるのだろう。森がこれだけ広いと・・」

魔女 「私に何か用かい?」

マイケル 「な・・!?ま、魔女!!?」

魔女 「だったらなんだい」

マイケル 「まさか

こんなに早く見つかるとは・・ええと、私はマイケルと言います。

この森に住む魔女が願い事を叶えることが出来ると聞いてやってきました。どうか・・」

魔女 「願い事・・なるほど、しかし私も暇では無いんだよ。森に入る輩は多いが、私はこう言う事にしている。

この森の中には3つの虹色に光る宝玉が存在する。3つのうちどれか一つでも持って私のところにやってきたのならお前の話を聞いてやろう。」

マイケル 「虹色に光る宝玉・・?それを探せばいいんですね。」

魔女 「・・・」

(マイケル、森へ去る)

ジェス 「なあ大臣、魔女は森の奥にいるのだな?」

大臣 「は、はい。そういうことになってます」

ジェス 「は?」

大臣 「い、いえ。そうです。間違いありません。」

魔女 「私に何か用かい?」

大臣 「な!??魔女!!!??」

魔女 「それで、何の用だい?」

大臣 (そ・・そんなバカな・・あれはつくりばなしのはずだ!!一体・・)

ジェス 「・・・」

魔女 「人が質問しているんだ。何か言ったらどうだ?」

ジェス 「では聞こう。何か用か?」

魔女 「なに?」

ジェス 「私はお前に用はない。お前がここにいることは、お前が私に用があるということだろう?」

大臣 「お・・王子なにを・・」

ジェス 「私が知りたいのは魔女の在り処。貴様に用は無い。魔女がどこにいるのか知っているのであれば、話は別だ。」

(魔女に剣を向ける)

ジェス 「答えてもらおうか。大方、その辺で私たちを眺めているのだろう?」

魔女 「なるほどお前・・まあいい。この森に入るものに魔女はこう言っている。

この森の中には3つの虹色に光る宝玉が存在する。3つのうちどれか一つでも持って私のところにやってきたのならお前の話を聞いてやろう。」

ジェス 「話を聞くだけか?」

魔女 「小賢しい子だね・・森で野垂れ死ぬのなら好きにおし」